磨硝子日記

すりがらすのブログ

シャムキャッツ らんまん上映会のこと

f:id:slglssss:20180902142943p:plainどうにもやるしかないというおもいに駆られ、このたびはじめて、イベントを開催します。

2018年4月におこなわれた、シャムキャッツ初のホールワンマン『らんまん』のライブDVDを上映する会です。

明大前 マイスペースというアットホームなカフェスペースで、サンドイッチをたべながらみんなでわいわいDVDを観られたらいいなとおもっています。



そもそもなぜ上映会なのか。
家でみられるDVDを、どうしてあつまって観たいとおもったのか。

きょうは、DVD上映会を開催しよう!ときめるまでのことをお伝えしたいとおもいます。



きっかけは、今年の3月にあった「台湾晩餐会 in “TETRA OFFICE”」です。

幡ヶ谷にあるPADDLERS COFFEEにて、メンバーとファンが一緒においしい台湾料理をたべながら、プロジェクターで投影されたアジアツアーの映像をみる、というホームパーティのようなイベントがありました。
(料理の写真しかない、すみません)
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いまおもえば夢のようなイベントで、メンバーがおなじテーブルでご飯をたべている、ということがまずもってしんじられなかったのですが、
それにくわえて、たまたま近くのテーブルにすわっただけの初対面のファンどうしが、料理をたべて「これおいしいね~」とか、映像をみては「わ~~!かっこいい!」「わかる!」なんていいあったりする光景がそこここであって、わたしはそのことをとてもあざやかにおぼえています。


わたしはシャムキャッツがだいすきです。シャムキャッツのライブがだいすきです。
でもライブにはひとりでいっているので、どんなにたのしくてどきどきしたライブも、終わったあとにはひとりでかみしめていました。

それはそれでよかったのですが、
時には、こんなふうにみんなとたのしさをわかちあうことだってできるのか!
わたしがすきなあの曲を、はじめて出会ったこの子もすきだった。おなじシーンで夏目くんかっこいい!とおもってた。
そういう気もちの交換や「すき」の共有ができたこと、たのしい時間をわかちあえたことがとてもとてもうれしくて、わすれることができません。


そんな折にシャムキャッツからとどいた夏のプレゼントが『らんまん』のDVDでした。

ライブDVDはひとりでゆっくり観るのもいいけれど、
また、みんなとわいわいライブをみながら、いろいろな話をしたら、
はじめて出会う人と、だいすきなシャムキャッツのことを話したら、
きっと一緒にたのしい時間をすごせるんじゃないか。

そんなおもいから、発売してすぐに、上映会をおこなうことをきめました。


おひとりでも、お友達を誘ってでも、ぜひおこしください。
おまちしています。


シャムキャッツ らんまん上映会
2018年9月30日(日)
OPEN 12:00/START 12:30
1000円(サンドイッチつき)+1drink

▼ご予約はこちら▼
docs.google.com


※有志で開催するイベントです。
※開催にあたっては、シャムキャッツに許可をいただいております。
※イベントに関するお問い合わせは、すべてreservation.slglssss@gmail.com へお願いいたします。オフィシャルへのお問い合わせはお控えください。

8月のこと

お盆休みいかがおすごしですか。

この春に転職をしたら、あたらしくはいった会社にはお盆休みがないと7月ごろにしる。さすがに面接で、盆暮れは休みですか?とはきかないし、年間休日数もとくべつすくないともおもわなかったのだけど、社長の方針で、お盆休みはないのらしい。なんでも「お盆ってどこいっても混んでるじゃん。そこを休みにする気がしれない」とのこと。業界的にも他社様がそろってがっつりお休みのところ、弊社だけ営業している状態をヘンだとも、むだだともおもわないあなたの気がしれません。

そんなわけで、取引先には「弊社は全社的な休業はございませんが、貴社のお休みはいつになりますでしょうか?」と不本意さをにじませながら休業日をうかがったりしている。15日までか、来週いっぱいお休みのところがほとんどです。ちなみに社長は、有給をおつかいになり、7月末に(たぶん)南の島へバカンスにいかれました。わたしはまだ入社して日が浅いので有給がありません。求人票をみつめるわたしの目は節穴だったのでしょうか。



ここ最近ぜんぜんできていなかった部屋の掃除をして、はじめて、このレコードもっていたんだ・・・という現象に遭遇する。いままで、このレコードはどっちのココナッツで買って、このとき矢島さんとこんな話をした、とか、なにがお店にでててコーフンした、とか、ことこまかにおぼえていたのに、まさか自分の身にこんなことがおこるとはおもっていなかった。気づかなかったらまたどこかで買っていたかもしれないとおもうと、オゾゾ。

最近は達郎さんをずっと聴いている。ツアーにいかれた方が口々に「レコードを聴いているみたいだった!」とおっしゃるので、わたしも所持しているだけでまったく行使していない運転免許証におもいを託し、こまやかにキャンセル待ち抽選へエントリーしているけれど、お席をご用意できませんでしたのおしらせしかきません。わたしも達郎さんがおっしゃるところの「35歳のときの歌声にもどった!」をこの耳でたしかめてみたいものです。ちなみにスカートのライブの客入れでかかる『高気圧ガンダム』、はっこれは『高気圧ガール』っ!とおもえばいいところでなぜかガンダムのテーマがぶっこまれるやつですが、はじめて聴いたときにまともに食らいましてたいへん痛快でありました。あのときのわたし、だれかみていたらどんな顔してたかおしえていただけませんか。ココ吉夏の100枚にあった『あまく危険な香り』の7インチがほしい。



台風がやってきて、憑きものがのしかかるおそろしい数日間をすごした。ある日の朝には気もちが急降下し、のらなければならない地下鉄にのりこむことができず、ホームの椅子にこしかけて、というかどっかりすわって、ただぼんやりとホームドアとそのさきの硬そうな柱をみやる、というのをやっていましたところ、あわせて10本ほどみおくってしまった。出社時間には問題ありませんでしたが低気圧女もやすみやすみやっていきたいものです。

そんなことがありましたのでもうこれはむりだしんどすぎるとおもいまして、困ったときにお世話になっておりますあおやぎさんのところで整体をうけさせていただく。前日までまじでこれはほんとに背中のまんなかがぜんぜん想像できる筋肉の硬さをこえてるわ、右の股関節がギシギシにきしむわ、とおもっていたのだけど、あれはなんなのか、きょう楽にしてもらえるとおもうと気もちがかるくなるのか、当日は朝からたいへんに体調がよくなってしまい、いく意味あるのか、お手をわずらわせてしまう、などとかんがえながら足どりかるく千駄木の夜道を歩いていたわけですが、いってみたら、首がばきばきだね~笑、といわれまして、自分のからだへの無自覚さにとても不安になった。あおやぎさんは前髪をみじかく切りそろえ無防備に日焼けをしていらして、冷房のほとんどついていない部屋のなかですこしだけの夏だった。

夏休みがないことなどを、フリーで夏休みなどないであろうあおやぎさんにぐちぐち話していましたけれども、なんやかやていねいに受け応えをしてくださり、わたしはこういうやさしさをもちあわせていないことに、しずかにおちこんだ。そのうちに施術はだんだんとすすみねむくなってきて、ほとんど寝た。

わたしは自分のことだけでせいいっぱいなのに、あおやぎさんはどうしてこんなにも人にやさしくできるのか、そういう見返りをもとめないやさしさを、尊いとおもう。わたしは自分で自分のことをまもることができなくて、なんでもかんでもよろこんだりかなしんだり、おこったりおちこんだりして、なかなかもとにもどれないのに、それだけじゃなくて、人のつらいことまでつらいなあとおもってしまってしんどくて、だれかにやさしくできる余裕なんてないのに。あおやぎさんだってうれしいこともかなしいことも、おこったりすることもあるだろうに、いつもおちついてみえるようにしていらして、これはそういう習慣なのかなんなのかわからないけれど、すごいとおもう。「自分のためにしていることが、いつか人のためになるよ」とおっしゃっていたけど、わたしにはまだその意味がわからなかった。

きょうはすこしだるいのでごろごろしたりピアノを弾いたりしてすごしている。自律神経がなんとかでだるさがでるらしいです。はじめて施術をしていただいたときにけっこう体がつかれていて、「あしたはだるさがでるかもしれないけれどなんとかやりすごしてね」といわれたのをおぼえている。わたしは一日をやりすごしたことがなかった。だからしんどいのかと、そのときに気づいたんであった。

あおやぎさんから「すりがらちゃんは頭でぐわーとかんがえて血がのぼりやすいから、ブログとかをかいて、自分のなかにたまったものを発散したほうがいいね」といわれたのでブログをかいている。あしたのTrafficで腰がもつように整えてくれたそうです!ありがたや。とんだりはねたりしてきたいとおもいます。

最近のこと

仕事がとみにさわがしくなり毎日あれやこれやとこまぎれな考えをこねている。


わたしは元来、なにか仕事でミスをしたり友達と意見がいきちがうと、自分がわるかったからこうなったのだとおちこんでいたのだが、最近はなにかにつけて腹がたつ。怒ることが苦手だとさえおもっていたのに、まわりの人のちょっとした態度に、どうしてそんなかんじなのか、なんでそうしなきゃ気がすまないのかといらいらして、ともすれば、わたしはわるくないとか、もうしらないとか、そういう投げやりな気もちにさえなっている。以前はしゅんとして、ただぼたぼた泣くばかりだったけれど、このところは夜中にだれもいない部屋の空中にむかって怒鳴ったりしている。

そんな調子でどうにも気もちがおちこむ云々とツイッターやらインスタグラムやらにぽいぽいと投げこんでいたら、何人かの人からとても心配された。みんな、わたしでよかったらなんでも話してねといってくれた。そういうメッセージにひとつひとつ、ありがとうございます、とかえしながら、わたしは自分の底意地のわるさにあきれてしまった。こういうふうに心配されたくて、わざわざSOSを発信するなんて迷惑なこともない。いつの日かこの腹だたしさを、やりばなく宙に放られている怒号を、親しい人たちに、はなれないように心をくばってきた人たちに、すきな人に、投げつけてしまわないか、そのことだけがこわくて、わたしは会う人に「元気です」とつくり笑顔をみせるばかりだ。


自分ではどうにもできない気もちをどうやりすごしたらよいのかわからずにいるうちに、時間どおりになにかをすることもままならず、忘れ物がふえ、仕事でミスをつづけてして怒られた。また腹がたった。ほんとうにおちこんでいるときに話せる人がいないことをつよい危機感としてもっているけどどうしたらいいのかわからない。

買ってきたレコードを袋からだすこともできず部屋の隅に立てかけ、iPhoneにはいっている曲をたのしむわけでもなくなんとなくながして気をまぎらわしているし、体が冷えないようにとひかえていたアイスやフラペチーノをいいだけ口にして、胃が冷たくなるころ、頭がくらくらするほどの甘やかな心地にひたっては、しばらくしてはっとわれにかえり、うしろめたい気もちで湯船につかるなり熱いシャワーを浴びるなりして体をあたためなければとあがいてみたりする。このところはもう徹底的に、体に悪いことをしてやろうじゃないかと、アイスをつづけて2本食べてみたりもした。べつに1本でも2本でも、悪いことをする気もちよさなんてなんにもかわらず、ただカロリーを余計にとっているだけだとすぐに気づいて、やめた。



すこしやすんだほうがいいとおもう、といわれたので、7月の後半は27日のroppenとbjonsのインストア以外はライブもなしでやすもうとおもう。

6月のこと

後ろ髪のある生活にも慣れた。去年のいまごろはマッシュをやめようと決意したのだったが、いまでは襟足がぱっつりそろったボブになっている。部屋の床に寝転がったときにぬけた髪をみつけると、しみじみと、こんなに長くなったのかとおどろく。
このあいだすきな人と焼肉をたべていたら髪伸びたよね~といわれ不覚にも肉を口に運ぶ手がとまってしまう。すきな人がわたしをすきになることは一生ない、地球が逆回転してもない、ロングヘアだったころからずっと小松菜奈がすきだそうだが急にショートになった彼女をかわらずかわいいという彼は畢竟かわいい子がすきであるのは明白で、それは髪型云々の問題ではなく、わたしのようにかわいくもなく憎たらしいばかりでなおかつうまく会話をかみあわせることもできないやつには興味もないとおもうけれど、ここまでしりあいとしてお付き合いいただけてそれだけでありがたいとおもうばかりだ。夏になると色白の肌がまぶしくてガラス玉のような目を直視することなどかなわず会いたいけど会いたくないしいまだにうまく話せません。一生すきになってくれなくていいからずっとしりあいでいてね。


5月の末から風邪をひいたりなどでどうにも体調がわるく、最近お世話になっている整体のあおやぎさんのところへ6月のはじめにお邪魔する。あおやぎさんのことはスカートの澤部さんのツイートでしる。
あおやぎさんの施術は凝っているところをゴリゴリ揉んだり叩いたりせず素人目には何をしてもらっているのかわからないのだけど、うつぶせになったりあおむけになったりしているうちに気がつくとほぼ眠りにおちている。毎回あおやぎさんの一挙手一投足をじっとみたりさわってもらっている部位に気をくばってみたりするけれど結局わからず、でも施術をしていただくと1日後、2日後と目にみえてぐんぐんと体調が上むきになり、体のなかや頭のなかのとどこおりがほぐれていくような気がするというすばらしいもので、ご本人のおだやかでやさしいお人柄(会えばわかる)ともあいまって、もう無理しんどすぎるというときに予約をいれさせていただいている。わたしの語彙のすくなさからあまりつたわっていないとおもうけれど、いままでゴリゴリ揉んでもらう整体があわず、体の疲れがどちらかといえば気もちからはねかえってくるわたしのような人にとって、あおやぎさんがいてくださるのはたいへんこころづよい。
あおやぎさんはご自宅で施術をされているので、施術をしていただいているあいだもかたわらにある本棚にならぶ本やCDがずっと気になる。中医学とか整体の本はもちろん坂口恭平とかくるりの7インチとか上の方には『20/20』もある。
ちなみにあおやぎさんの整体へかよおうと決意したのははじめてお邪魔したときに玄関をあけた瞬間である。ドアをあけると3月にあったイ・ランのジャパンツアーのフライヤーがよくみえるところに貼ってあったからだ。
自分ひとりのことさえもなかなかおだやかにたもっていくのがむずかしいけれど、他の人の痛みやつらさをわかってくれようとして力をかしてくれる人の無償のやさしさがありがたく、尊いとおもう。そういうやさしさをうけとって、わたしはどうすれば他の人へくばっていけるのか、そういう人になりたいといつもおもって、結局また大切な人を傷つけてしまう。仲直りがしたい。


イ・ランのジャパンツアー東京公演ではあまり知り合いに会わなかったのだけれど、最近リーファンデさんもいっていたとうかがっておどろく。あの場にいたんだね!といわれて、彼に2018年に出会えたことは偶然ではないなと確信する。先日リーさんの主催するバンド、Lee & Small Mountainsの自主企画へいったのだけど、この日このライブへいけてほんとうによかったといまだにかみしめている。はじめてみたシアターブルックTHE NEATBEATSはどちらもでてきた瞬間からしびれるほどかっこよく、演奏にも心のもちようにも鋼のように一本の筋がとおっていて、またあたらしい音楽に出会えてよかったと心の底からうれしかった。最近、自分がこういう音楽もすきなんだなと気づくことばかりで、あまり得意ではなかった黒地に赤い字のレコード屋さんへいきちょこちょこと買いあつめたり、いったことのないライブへいきなりいったりしている(昨日の野音カーネーションすばらしかった)。
リーさんはライブ中以外は(こんなことをいうのもあれだけど)ほんとうにほんとうに普通の青年という言葉がびったしはまる青年で、いるだけでオーラがめらめらとでているとかそういうタイプではないのだけど、ひとたびステージにあがりGUILDのギターをかまえれば、たちまち青き炎を燃やすソウルミュージシャンになるのだ。わたしはこの瞬間を目撃するのが、ほんとうにすきだ。MCでは話したいことがあふれてしまうのか毎回話がまとまらなくなってしまうのだけど、それをみまもるお客さんのまなざしもあたたかく、リーさんのライブにはまたすぐにいきたいとおもっている。THE NEATBEATSのレコード、ジャケがかっこよすぎる~



インスタグラムをはじめてまたいろいろなものをしるようになる。ストーリーズというのはツイッターとかインスタのふつうの投稿とかましてやブログみたいにばっちりのこるところにはちょっと書くのためらうけれどだれかみている人(とくにつたわってほしいあなた)へつたわってほしいよ、ということを発信する場なのだな~みたいなことをなんとなくかんじ、ストーリーズにライブの感想とかいま聴いているレコードのこととかのせはじめると、ブログにじっくりかんがえをのこすこととかなんだかはずかしい(これまでさんざんやったのに)みたいな気もちにもなりかねず、ストーリーズみたいな一瞬の熱量にまかせる伝え方に慣れている方は、わたしのブログを読んで、よくこんなことずっとのこしておけるな、とかおもうんだろうかとかおもってしまう。でも何回か前のブログに書いたのだけど、わたしはブログに自分の気もちを書いて、自分の気もちをとっておくことが大切だとおもっているんだよ。すぐに書けないときはストーリーズにのせてしまうこともあるのだけど、わすれたくなくて書いておいたことが、のちのちはからずも自分をはげましてくれることに気づいて、なんとか書けるときには書くことにしている。
ところでリアルの世界で直接みられないことを「それインスタでみた~」といえるようになるのがふしぎでたまらなかったのだけど最近はそういうものなんだなとおもえるようになっている。しらない人の、心のなかとか、何を食べているのかとか、部屋の壁紙のもようとか、最寄り駅のホームの点字ブロックとか、こんなにふつうにみられるのってすごくないですか。

6月のはじめのこと

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リーファンデさんがツイッターでいっていた『夏の終わりのハーモニー』を聴いてみたらすごくかっこよくて、そんな頭でいるときにたまたまユニオンでライブ盤をみつけたので、おもわずハッときこえるくらいの音量で息をのんで、ここ最近でいちばんすばやい動きでひきぬいた。井上陽水玉置浩二も有名な曲しか聴いたことがなかったけれど、こんなに強烈な個性をもっているふたり、おたがいに決して消しあわず、手をとりあい、目くばせをして、縦糸と横糸の綾なす無限大のハーモニーをかなでていて、ドラマチックなメロディラインもあいまって胸をゆさぶりまくり、ほんとうにすごい、つたない感想だけれどそうおもうしかなく、リーさんありがとうとおもいながら毎日聴いている。まだ夏はじまっていないけれどね。

井上陽水&安全地帯 夏の終わりのハーモニー


それからオリジナル・ラヴをやおら聴きはじめる。友達がカラオケで『接吻』を歌っていてすごくかっこよくて、それからずいぶんとたったけれども、ぽつぽつと聴いている。
このあいだ掃除をしようとおもってかけたら、聴きいってしまっていっこうに掃除すすまず。いままで聴いてきたオリジナル・ラヴ以降のいろいろなバンドの曲をおもいだし、たとえるならば、肥沃な土壌の養分をぐんぐんすいこんで育った栄養まんてんの牧草あってのおいしい牛の肉、すばらしい営み、ありがとうございます、というような深遠な気もちでありました。
そんなわけでオリジナル・ラヴ、順番にすこしずつ聴いていきたいとおもっている。最近売場であ行とか行の境目あたりを目を皿にしてみまわしているのはそのせいです。


9日、柴田聡子の神保町ひとりぼっちを観にいく。夏になると細い髪が湿気でくるくるとうねる柴田さんがかわいい。ワンピースがいつでも似あう柴田さんがかわいい。
柴田聡子の神保町ひとりぼっちとは。東京は神田にある神保町試聴室にて、柴田聡子がギター弾き語りで2時間ライブをするというものである。いつはじまったのかどのくらいつづいている企画なのかわからないのだけど、すこし前までは月1?隔月?とかで開催されていた。最近は不定期だけど、なるだけ毎回いきたい心もちでいる。

今回は前半をいままでの曲、後半がすべて新曲という攻めた構成。『スプライト・フォー・ユー』『あなたはあなた』『いきすぎた友達』『後悔』などおなじみの名曲たちで心をやわやわにほぐされたあとの、おどろきとあらたな感動にみちた新曲乱れ打ち、風穴がずばずば開くようであった。
ちなみに新曲のなかでは「やっぱハワイより 海へいこうよ」とはじまる曲が最高にすきだ。今年のワクワクミツメまつりでも柴田聡子 in FIREで演奏されていた曲で、試聴室でやる弾き語りもいいし、バンドバージョンもほんとうにかっこいいから全員聴いてほしい。曲中で「箱の中にはちばてつや」というキラーフレーズがブッこまれて、何度聴いてもその部分だけをくっきりおぼえてしまうのだけど、これははやく歌詞カードをみながら、全編の歌詞をとおして聴きたい曲でもある。
柴田さんの曲、とわたしがいうのも恐縮なのだけれど、いつも想像もしないことをあざやかに繰りだしてくる。
たとえば、『後悔』しかり、ポップで体をゆらしたくなるような曲調にあわせて、すごくせつないこととか、じんわりと余韻ののこることをうたう、というのがあり、それがまじかよみたいなおどろきでもあるし、そういう一見(一聴?)噛みあわなさそうなことをさらりとやってのける柴田さんはほんとうにすごいとおもわされるのだけど、このちばてつやの曲もきっとちゃんと歌詞をよんだらそんな曲なんじゃないかという気がしている。
そのほかの曲も、あんまりおぼえられていないけれど、Jポップ感(てなんだろう)のあるシンコペーションがきいていたりして新鮮だしエネルギーをたたえているなとおもう一方で、歌詞は「つくりもののまつげの後ろをながれる涙をホンダの軽で追いかけよう」みたいなことをいっていてもう胸のなかがぐちゃぐちゃである。
それから新曲『ジョイフルコメリホーマック』というのも多分にもれず、「道ばたには ジョイフルコメリホーマック」なんて一度聴いたらわすれないような強烈なワードを何度もおりこみながら、「あれやこれの使い道は わからないけど(?) ひんやりとした銀色の筒をなんとなく買ったね」なんていう後ひく言葉をつらねてくるから、ああなんだかあじわいぶかい、そういう気もちに着地するのだ。柴田さんの歌を聴いていると、かんたんには意味を推しはかれないことを、なんだかとくべつな意味をもっているようにおもわされるし、じぶんの体験していないことのはずなのに、記憶や経験のはしっこをちいさくふるふると共鳴させられる。柴田聡子はほんとうにすごいです。
この日のカバーはTWICEの『LIKEY』、韓国語で歌っていた。イ・ランちゃんの歌を聴いていて韓国語はら行の発音が丸っこくてかわいいなとおもっていたけれど、柴田さんが歌ってもやっぱりかわいかった。終わったあと譜面台をみにいったら、歌詞がぜんぶカタカナで書いてあってますますかわいかった。

ちなみにこのブログを読んでくださっている方から「すりがらのブログ、だいたい出張のときに新幹線のって『スプライト・フォー・ユー』聴いて泣いてるみたいなこと書いてるよな」っていわれたのですが、わるいかよそりゃあ大名曲だもの、いろいろなことを勝手にぶくぶくおもいだしてしまうから、泣きたいほうが涙こらえているのだよ、といいたい気もちである、でもブログをすみずみまで読んでくださっているのがわかってとてもうれしはずかしかった、ありがとうございます(前におしえてくださった『微熱少年』のカセット買いましたヨ)。いろいろな方にいろいろな音楽とか、それ以外のことをおしえてもらいながら、たのしくすごしています。

5月のおわりのこと

ながいことブログをかかないうちに日常のできごとをのこしておくのをなおざりにするようになってしまった。

岡村ちゃんのツアー、今回もとてもよかった。前日にツイッターで「あしたDATEです」とつぶやいたらなんだかいいねがぽんぽこついて、反応してくれた方には申し訳ないというか、申し訳ないこたないのだが、これはデートではなくDATE、すなわち岡村ちゃんのライブなんである。
前日はグッズリストをむうむうながめ、今回はほしよりこさんがイラストを手がけたグッズなどを狙いめに、ちいさなウエストポーチにココナッツトートをおりたたんでいれておく。ライブとなると開場してからのんびり入場することもしばしばだけれど、今回は開場時間オンタイムで到着し、整理番号コールをまつ、まつ、まつ、、、
会場はZepp Tokyo。お台場の赤い観覧車、いつぞやのDATEでマニピュレーター白石さんが「岡村さんと、観覧車のりたいですよねえ?」となげかけ、ベイベたちが狂乱する一幕があったことをわすれない。岡村ちゃんと観覧車にのっても、きっと一周おたがいにおしだまっておわってしまうにちがいないけれど、からだをちいさくまるめて固い椅子にちょこんと腰かけ、すべりどめの溝がついた床へと眼鏡ごしのまなざしを自由落下させている岡村ちゃんを想像すると、どうしようもなくI give you my loveなんである。
やっとこさ入場してみるともうフロアはほとんど埋まっていた。今回こそ前のブロックでみたかったけれど、整理番号が後ろのほうすぎたこともあり断念。1階の前のブロックのいちばん後ろにスタンバイ。

まずですね、幕があがった瞬間の1曲めが『ステップUP↑』、つづけて『ステップアップLOVE』だったのでもう完全にやられてしまいました。あのMV中盤の雨(あれはバスケットコートのスプリンクラーなのだけど)、そうだ、びしょ濡れでいいじゃない、、、(とおい目)
あとは中盤で『どんなことをして欲しいの僕に』、アンコールで『友人のふり』を聴けたのも感慨ぶかく、『どんなことをして欲しいの僕に』は白石さんによれば30年ぶりにライブでやったらしい。マイクと戯れている岡村ちゃんが遠くからみても恍惚のオーラをむんむんはなっていて最高だった。
岡村ちゃんのツアーにいくうちに、DATEにはいくつかおきまりの流れがあるというのがわかってきたのだけど、たとえば曲の途中のフリとか一緒にうたうところがきまっていたり、そしてセットリストにも定番があって、『あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう』でギターを弾いたらアウトロでギターをはずして『だいすき』、アンコール1回めでベースのヨコリンのMC「ダンス、チャンス、ロマンスは自分たち次第だぜ!」からの『Super Girl』、アンコール2回めの1曲めはギターかピアノか両方の弾き語り(ベイベへの愛の囁き&叫び)、など。
でも今回のセットリストは、『カルアミルク』のようないつもだいたいやる曲をあえてやらなかったり、そのかわり昨年リリースされた『ステップアップLOVE』『忘らんないよ』をどちらもやったり、あんまりライブで聴いたことのない曲をおりこんでいたりと(スティーヴィー・ワンダーのカバー2曲もふくめて)文字どおり目にみえる変化があって、でもそれはきっと岡村ちゃんがずっとやりたいことで、わたしは黄色い歓声をあげながら、しずかに胸をふるわせていたんである。岡村ちゃんは、更新していくいまが最高なのだ。

たっぷり3時間のDATEがおわり、名残おしくゆりかもめにのる。東京湾の夜景がこんなにきれいにみえるのは、毎回岡村ちゃんのおかげだよな、とかおもう。Tシャツがとてもかわいくて、たのまれて買うついでに自分のも買ってしまったけれど、トートバッグをのぞいてみれば胸におおきくプリントされた岡村ちゃんのイラストがみえて、きょうの、夢のようにたのしいステージをくりひろげる、たしかな力強さと愛をたたえた、むこうみずでいじらしくて、ひたむきな努力の人の姿をおもいだせば、あたたかいきもちが水彩画のように胸にしみこんでいくんであった。
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ドリーミー刑事とリーファンデと東郷清丸に会いに愛知県安城市へいってきた話

f:id:slglssss:20180429233153j:plain2018年4月14日(土)、昼過ぎ、東京駅。おおきなリュックに次の日のぶんの着替えだけをいれて、むかうは名古屋駅である。


ずっとたのしみにしていた日がとうとうきた。
まだ春のことなんて考えられないようなさむい日に、おしらせをみてすぐに申しこんだ。待ちに待ったライブの日だ。

主催、ドリーミー刑事さん。サニーデイ・サービス、ミツメやスカートなどのブログをご存知のかたもおおいこととおもう。ライブのレポートやディスクレビューなどをブログにアップされている、汗の匂いさえするような生身の筆致で音楽や人物への煮えたぎる愛をつづる紳士である。わたしはドリーミーさんのブログのファンで、ドリーミーさんのブログを読んで聴きはじめたレコードがいくつもあるくらい、カルチャーの先輩として、とても尊敬しているのだ。

そんなドリーミーさんが、東郷清丸と、ドリーミーさん激推しリーファンデを呼んでライブを開催するとな。

これは絶対にいかなくては!



夕方から雨が降るのらしいときいていたけれど、折りたたみ傘をリュックにぽいといれてでかけた。よく晴れていたので、新幹線では平賀さちえの♪あったか〜いそばを~を聴いて、いいきもちになったわたしはすぐにねむってしまい、やおら起きてみるともう静岡をぬけていた。
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名古屋で降りるのはほとんどはじめてだ。薄暗い雲がたれこみはじめた窓の外をみやりながら、『ついのすみか』にきりかえてプラットフォームに降りた。おおきいおおきいときいていた高島屋はおおきかった。それですごい人だった。


夕方だったので、名古屋駅から5分ほどの金山駅へ。
駅前のアスナル金山のなかにあるバナナレコード金山店。そう、ドリーミーさんのブログのサブタイトルは「バナナレコードでバイトしたいサラリーマンが投げるmessage in a bottle」・・・

バナナレコードは愛知や岐阜を中心に展開している中古レコード屋さん。黄色の看板に青い字がまぶしく映える。
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金山店はオールジャンルだけどヒップホップがおおいのかなといった印象、CDがけっこうおおくて手頃な値段のものがおおかった。CDのタイトル、天面に手書きの帯がつけられていてみやすい。ひとの体温をかんじるお仕事が垣間みえキュンとする。
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運よく5年前のレコードストアデイ限定商品、ブレッド&バター『ピンク・シャドウ』とか、森は生きている『ロンド』をどちらも新品で掘りだして、目をぎらぎら光らせながら名鉄へ乗る。



会場は愛知県安城市、Book Cafe & Bar カゼノイチ。
バナナレコードで買いこんでいるうちに開場時間をすぎ、ホテルへチェックインする時間もなく、とりあえず荷物だけあずけさせてもらってカゼノイチへ。
さきほどまでなんとかこらえていたくせに、ここへきて大粒の雨。風がごうごうとうなり、横なぐりの雨で折りたたみ傘もろとも吹きとばされそうになりながらすすむ。会場へつくころには、着ていた肉厚のスウェットに雨がしみこんで、リブがだるだるにのびきるほどであった。

階段をあがりドアをあけると、はじめてお会いするのにすぐにわかった、

ドリーミー刑事だ!!!

「こんばんは、すりがらすです、、、」
ドリーミーさんのツイートをみてDMでチケットを予約してしまったわたし、「すりがらすです」ではなかろう。

ここへきてもあほあほなわたしにドリーミーさんは「あ、どうもどうも」と笑顔で話しかけてくれる。ドリーミーファミリー(響きが最高)にもお会いする。こんなにも、はじめてお会いしたような気がしない初対面なんて、なかったのだった。


濡れた傘をすみっこのほうでたたんでいたらドリーミーさんが「一番前空いてるけどどう?イヤ?」と声をかけてくださる。ふだんはあまり一番前ではみないし、こんなに濡れねずみだけどいいのだろうかとかおもったのだけど、からだのほうが先にうごいて、わたしは「エッ、アッ」といいながら案内されるままに最前列にすわった。


定刻。
ドリーミー刑事がステージにたち、ご挨拶。
ご本人は気づいているかいないか、メモをもつ手がふるえているようにみえたのは気のせいだろうか。
ちなみに「固い」「会社の挨拶か」とご友人からいじられてましたが、わたしは真摯でとてもよかったとおもいました。


先攻、東郷清丸。
このライブの告知をしったあとくらいから、清丸さんのことをぐんぐんすきになっていった。清丸さんのライブは毎回あたらしい気づきがあるから、いつみてもたのしい。だからこの日は、愛知で、ドリーミーさん主催のライブでみられてとてもうれしかった。

会場に着くやいなや、にっこり笑って「はるばるどうも〜◎」と声をかけてくれた青年は、ひとたびマイクの前に立てば、カゼノイチの真っ赤な壁よりもなお、ひときわに赤いのであった。
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この日はリズムマシンを相棒にして『2兆円』の曲を中心に披露。

『2兆円』ツアーのあいだに何度かライブをみられたわたしがこの日かんじたこと、それは、東郷清丸がめざましいはやさでたくましくなっているということであった。

まずはテンテイグループ『サンキスト』。
はじめて聴いたときと、ぜんぜんちがう。皮肉のこもったまなざしと、堕落した生活へのあきらめ、しあわせの青い鳥をもとめるこの曲、さらりと歌うのもよかったけれど、ツアーのあいだについた筋肉のおかげで、曲全体の筆圧がつよくなったように聴こえる。

そこからはもう彼のペース。
無機質にきざまれるリズムに踊らされない、むしろ、清丸がリズムの粒を導いていくのだ。彼の歌が、ギターが、リズムの真芯をとらえながら、おおきなうねりをうみだすそのさまは、「怖がらないで あなたもさあこっちへ」と手まねきをしているようにもみえて、もう逃げられないのだった。

めずらしく披露されたカバーは、スカート『静かな夜がいい』。
清丸さんの曲は「君に会いたい」っていわないから、とても新鮮だ。澤部さんの、胸をぎりぎりしめつけるようなひりひりした高音のつらなりのあとにおとずれる、いとおしさをともなった「会いたい」とはまたちがう、暗闇でゆれるろうそくの灯りのような妖しさと、ムスクのかおりをまとった、つややかであまい「会いたい」であった。

毎度おなじみ、活版印刷でつくったグッズ紹介ももはやおてのもの、「こちら2兆円メモ、2兆円札ですね」「1万円札とおなじおおきさ、厚みでつくりました」「中にですね、3枚だけぼくの顔が印刷されてますのでそこだけ注意してください」なんていえば、みんなほしくなっちゃうことうけあいなのである。

この日は5月のイベントで限定販売されるという新曲『よこがおのうた』も披露。
「♪よこ、よこ、よこから見ちゃお〜」というかわいらしい歌詞が耳にのこる、彼のやわらかさとやさしさ、そして大人としての純粋さをたたえた、ポップソング。『インサツレンジャー』しかり、彼のふり幅がおおきいことは希望である。



後攻、リーファンデ。
彼の曲をちゃんと聴くのはこれがはじめてだった。目の前で機材のセットをする彼は、背が高くて肌がしろくて頬の高いところがつるつるしていてかっこいい。

リーファンデさんのことを知ったのは、ほかでもないドリーミーさんのブログである。記事に貼りつけてあった動画をみて、なんとおしゃれで心地のよい音楽だろうとおもって、とても興味がわいていたから、はやくライブをみたいとおもっていたのだった。
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1曲めは、彼のバンド『Lee & Small Mountains』の1stアルバム『カーテン・ナイツ』から『山の中で踊りましょう』。歌詞にある「君が住む南のまちへ」を「君が住む “安城”へ!」と歌ってくれて、きゅんというか、もっと心をぎゅんとつかまれてしまった。すきだ!

この日かんじたリーファンデさんの魅力は、一瞬のうちに放出する、ものすごいエネルギーの炎のような演奏である。しかし、それは決して熱いだけではない。彼の、風を呼びこむような、みずみずしい希望をたたえた歌声や歌詞とあいまって、「爽やかさ」と「熱さ」を同時にかんじさせるのだ。

たとえば、「毎日28時間 君を想っているよ」と歌う『Sugar Baby』は、そうか1週間の日にちをふやせなくても、1日の長さを伸ばす方法だってあったのだと気づかせてくれる(そしてそうすれば1週間は8日分と4時間になる)。そうしたにごりのない感性と、彼のなかにうずまくソウルフルネスが邂逅するときの、快感にも似た化学反応を目の前にして、わたしは彼の虜になってしまった。

炎をあおりどんどんとおおきくしていくような、せききったリズム感の『Teleport City』、ぬけるような高音がきもちいい『Crush』、アルバムの最後に収録されている、日常へうつくしいまなざしを注いだ『いようよ』、ほとんどはじめて聴く曲が、どれもすきだとおもえるライブは最高だ。わたしは君に出会うために、安城へきたよ。

物販でさっそく『カーテン・ナイツ』を買ったら、リーファンデさんが「サインしましょうか?お名前なににしましょう?」と訊いてくださる。すりがらすじゃないしなあとおもっていたら、となりから赤いスウェットの青年が「〇〇ちゃんで◎」と、したの名前を指定。そのときははずかしかったけれど、歌詞カードをみるたびに面映ゆさとうれしさがじんわりとよみがえる。



終演後、アフターパーティにも参加させてもらう。
話題はわたしのブログにもおよび、くだんの東郷清丸ブログについてはドリーミーさんから「いくらスクロールしてもおわらない」「論文」というご評価をいただいた。清丸さんからもありがたい感想をいただいて、とてもうれしかった。自分の気もちが、届けたい人に届いていてよかったとおもった。
東京からひとりでやってきたのに、ドリーミーファミリー、リーファンデさん、東郷清丸さん、カゼノイチのマスター、DJの二宮さん、バナナレコードのおふたり・・・こんなにたくさんの人たちが受け容れてくれて、胸があたたかいよろこびでひたひたになった。


日付がかわるころパーティはおわり、カゼノイチをでる。ずうずうしくも、ドリーミーファミリーに駅まで送っていただき、おわかれをした。またかならず会えるとおもって、手をふった。



旅行のとき、ホテルの朝食の時間内に起きられたためしがない。宴は束の間、のこったのは生乾きの服とレコードとドリーミーさんの奥様にいただいたおかし。むくんだまぶたにラメのアイシャドウをのせながらきらきらした気もちをおもいだす。仕度をしてホテルをでる。


前日、ドリーミーさんに教えてもらったバナナレコード岡崎店へ。名鉄の窓際、「ユニコーンLOVE」と彫りつけてあって、夢のあと。
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岡崎駅、くもり。
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シビコ岡崎のなかにあるバナナレコード岡崎店。こちらもオールジャンル、クラシックが充実していておもしろい。かよいたいかんじの、すきなお店だった。小学生くらいの男の子とお父さんが一緒にレコードをさがしていてきゅんとする。f:id:slglssss:20180430153919j:plainこちらではサニーデイ・サービス『苺畑でつかまえて』、倉内太『愛なき世界』などを新品でみつける。
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レジへいくと、きのうのアフターパーティでお会いした、岡崎店店長の真木さんがいらした。ふだんはココナッツディスクへよくいくのですといったら、「ココナッツディスク、いいお店ですよね」といってくれて、なぜだかわたしがうれしかった。またきます、といってお店をでた。


昼すぎに金山 ブラジルコーヒーへ。ここは一度きてみたかったので夢がかなった。おじいちゃんおばあちゃんと若者が一緒にいる喫茶店というのはすてきだ。A定食650円。
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スウェットを押しこんだせいでぱんぱんになったリュックを背負い、買いこんだレコードを胸にかかえて名古屋駅へ。のぞみに乗っているあいだ、ツイッターやインスタで、清丸さんもリーファンデさんも東京へかえっているのをみる。だんだんと、日常の軌道へもどってしまう。舌の根にのこる記憶をもう一度たしかめる。

東京へかえってもなんだか気もちに折りあいがつけられず、ココナッツディスク吉祥寺店へいった。矢島さんにきのうのことをあれこれと話して、バナナレコードの話をしたら、数年前まで東京にもバナナレコードがあったと教えてもらった。矢島さんも学生のころバナナレコードにかよっていたとのこと。点と点が、またぴっとつながった。




旅行先でたまたまライブへいくことはあったけれど、ライブのために旅行をするのははじめてだった。

どうしてそうしようとおもったかといえば、会いたい人たちに会いたかったからだ。
いつか会えるとおもうほどに足が遠のいてしまう人に、いま会いたいとおもった。
そして、会いたかった気もちを、すきな気もちを、つたえなければならないとおもった。

まずは、ドリーミー刑事さん。ドリーミーさんのブログに出会ったのは、まだわたしがブログをはじめる前で、当時はツイッターにココ吉で買ったレコードのことをじくじくと書いていたのだけど、ああこんなふうにもっと熱をたたえたブログをひとおもいに書けるようになりたい、とおもわせてくださったのはドリーミーさんのブログであった。
ブログをはじめてからは、ありがたいことにたくさんの友だちもふえて、ブログ読んだよといってくださる方もあらわれるようになった。わたしはわたしで、自分が過去にブログに書いたことが、時をへて、自分自身をはげましてくれることがおおくなって、自分の気もちをとっておくことの大切さに気づいた。だから、ドリーミーさんにお会いしたら、ブログをはじめるきっかけをくださったことへの感謝を、つたえたかった。

それから清丸さん。彼に出会ってから、ひとりの人間というのはいろいろな面をもっていて、そのどれもがその人なのだと何度もおもいしらされた。
にこにこ笑って話してくれるのも清丸、目をみて話を真剣に聞いてくれるのも清丸、みごとなまでに秘孔を突くような演奏をやってのけるのも清丸、ドリーミーさんのお子さんと子どものようにあそぶのも清丸、オフィスで活版印刷をするのも清丸、『2兆円』ディスクBでみずからのたよりなさを抱きしめるのも清丸、すべて清丸なのだと気づくとき、人間の底しれないおもしろさにひれ伏したのであった。清丸さんには音楽の魅力もそうだけれど、人間としてのすこやかな生き方を、教えてもらっている気がする。

はじめてお会いしたリーファンデさん、彼に会う前は、とにかくはやくライブをみたいという気もちだったけれど、ライブをみたあとには、バンドの演奏をはやくみたいし、これからも彼をみつめつづけたいという気もちにかわっていった。
それと、彼と同世代であることも、わたしが彼に共感できる理由のひとつだとおもっていて、というのは、彼にもまたちらちらとみえる「やばさ」があって、うまくいいあらわせないけれど、それは同世代に通底している、あきらめ、ひらきなおり、皮肉、いわゆる「さとり」といわれてしまうようなものにも似て、こうあらねばならないというしがらみから離れて、自由にドライブしていくところが、とてもひびきあうとかんじたのだ。ともすれば「新人類」だとかいわれてしまうけれど、時代の旗手は「新人類」でこそ務まる、そのくらいの意気でよいのだと、彼は体現している気がした。


ライブにいくことが、音楽を聴きにいっているだけじゃなくなって、会いたい人に会う機会になったのはしあわせなことだ。そして、わたしがつたえたい気もち以上のものを、両手にもてないくらいたくさんたくさんもらって帰ってきた。
くりかえしていく日常を一歩踏みはずして、いつもとはちがう乗りものに乗れば、きっと目の奥はひらいて、あたらしい光が差しこんでくる。ぱんぱんのリュックとずっしりしたレコード袋は、荷物のおもさだけじゃなかったはずだ。春の嵐の夜のことを、きっとわすれない。




リーファンデさん、清丸さんご本人たちも絶賛の、ドリーミーさんのブログ、ぜひお読みください。
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