磨硝子日記

会社員。元書店員。ココナッツディスクとくま。

拝啓 ココナッツディスク

twitterをフォローしてくださっている方にライブ会場などでお会いすると、「ココナッツディスク、おすきなんですね」と言っていただくことが多い。わたしはそのたびに、うれしはずかし、「あ、あ、そうですね、ええ、、」などと、にたにた笑うことしかできず、初対面のみなさんにくちびるゆるゆるの気味わるいにやけ顔を披露しているのですが、お気づきのとおり、わたしはココナッツディスクがすきです。最近ではうすうす、きっとココナッツディスクのtwitterアカウントをみている方の中には「このTLによく流れてくる磨硝子ってどこの馬の骨、、」と思っている方もいらっしゃるかもしれないと思いはじめて、いやひとりもいないかもしれないけれどとにかく、自己紹介のきもちもこめて、普段とてもお世話になっているココナッツディスクのみなさんに、ココナッツディスクのことをどんなにすきか、ココナッツディスクがどんなにすてきかというのを伝えたくて、片思いのラブレターを書いて、放課後の机の中に投げいれてみようと思います。見つけたら、ひとりで、こっそり読んでください。

まず、ココナッツに最初に行ったのは3年前くらいだと思います。なんで行ったのかは覚えていないのですが、たぶん柴田聡子『いじわる全集』(2014年発売)を買ったと思います。柴田さんの曲をそのころ聴きはじめて、ニューアルバムの取扱店舗に書いてあったのがココナッツディスク吉祥寺店。
友達の影響で、柴田さんをはじめ、ミツメとかシャムキャッツの音楽に親しみはじめていたので、ココナッツディスクのことは聞いたことがあったと思います。ココナッツってなんだ、どこからきたんだ、という妙なひっかかりもあって、友達に「どんなお店なの?」と聞いてみれば「トロピカルレコ屋だよ」と言われたので混乱した。

レコ屋、、、レコード屋さん?
CD屋さんなら知ってる、黄色に赤のお店とか、黒にピンクのお店とかよく行くし。でもレコード屋さんには行ったことないな。
そもそも、レコード聴いたことない。うちにプレイヤーもない。レコード屋さんに行って、レコード買わずに帰ってもいいのかな?
などと逡巡してみたのですが、どこへでもどんと行ってみるという無鉄砲な性格が、(いま思えば)さいわいして、ココ吉の扉をギリリと開けてみたのでした。たのもー!

そこからはいつ行ったのか覚えていないけれど、ココ吉にはぽつぽつと何度かお邪魔したように思います。

そしてそして2016年の秋頃に、いろいろなことがかさなって、ついにレコードプレイヤーをえいやと購入しました。これで、念願のエンジョイレコードライフを始めることに相成ります。
1枚目のレコードは、神保町試聴室で買った、柴田聡子『柴田聡子』。さて2枚目をどこで買おうか。
そういえば、ココナッツディスクはレコード屋さんだったな。おや、ユーミンの『パールピアス』を売ってるらしいじゃないか。ユーミン、すきだな。たのもー!(2回目)

そういうわけでココナッツを知ったきっかけはふとしたことだったのですが、通いはじめて、どんどんココナッツっていいな、さいこう、と思うようになって、仕事の帰りにココ池に寄ったり、週末にココ吉に行ったりして、いまに至ります。

そのころtwitterをはじめたこともあって、ココナッツの入荷情報がすぐに手に入るようになったことも大きく、そして140文字のなかに愛をぎゅうぎゅうにつめこんだ矢島さんの商品紹介をつぶさにみて追いかけていました。いまも、毎日かかさずみています。
大学時代に書店でアルバイトをしていたこともあり、「商品をおすすめする」という営みのむずかしさは曲がりなりにも感じていました。ポップを書いていたこともあるけれど、うまく書けたと思ってもぜんぜん売れなくて、お客さんに見つけてもらえなくてもどかしいなと思ったり、それがはね返って自分の情熱が不発だったのか?と疑ってみたり文章力がないのか?と限界のようなものを感じたり、とにかく人に伝える、それも「これは自分がよいと思っていて、あなたもきっとすきだと思うから、これのこと、知らないかもしれないし、興味ないかもしれないけど、すっごくいいから、手にとってみて、そしてできたら買って、というか絶対買って」と伝えて説得するのは、究極的にむずかしい。
ココナッツに行った時に、面でずらーと出ているもの以外も、すべてポップがついていて、しかも手書きで、ほんとうに驚いたし、それを読んでどんどん欲しくなって、もっともっと驚いた。これは、ほんとうにすきじゃないと書けない、すごい、熱量にひれ伏してしまった。こんなに情熱をもって、すきなものを、よいものを、すきだよ、これはよいものだよ、(だから買ってね)と伝えてくれている、びしばし伝わってくる、んええさいこう、このお店の人を尊敬する。わたしはまだレコードの知識があまりなくて、何を買ったらいいんだろかと思うこともあるけれど、知らないミュージシャンのレコードも、知らないタイトルも、ココナッツの手書きポップをみて、ほしくなって結構買っていて、たぶんこれは、自分ではみつけられなかったなというアルバムにいくつも出会ったりしています。わたしが1番すきなポップはこれです。
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これはほんとうに愛、こんなに愛されているアルバムがうらやましい、澤部さんがうらやましい。

ポップ以外にもすてきなところがたくさんあって、たとえばインストアライブを無料で開いてくださるところがすきです。だって、無料で、たのしくて、今日のライブよかったなと思ったらすぐにレコードやCD買えて、サイン会とかもあって、わ、澤部さんが近い、ギターの音がすぐそこで鳴っている、歌ってほしい曲リクエストとかできる、感動、みたいなことも思ってたのしくて、さいこうじゃないですか。毎回いそいそと行っているのですが、いつもハアよかったなあと吉祥寺の駅までふわふわ夢見ごこちで歩くばかりです。

そしてココナッツをいいなと思う、ほんとうの最大の理由は、とてつもなく安心してレコードを買えるからです。レコードを選ぶときにも、お店にいるときでも、とにかくとても居心地がよくて安心します。
わたしはほんとうに最近レコードを買いはじめたので、どれを買ったらいいのかわからないことがしょっちゅうあって、この状態でこの値段ならちょっと高い、とか、あまりむずかしいことはよくわからないのですが、なんというかそういうところも含めてココナッツはやさしくて、そういう、なんにもわからないわたしをあたたかく受けいれてくれて、レジに持っていくと「これいいよね」って言ってくれたり、いろいろと親切に教えてくれたりするところがとてもわたしに合っているなと思います。
あとこれは最近気づいて、すんごください例えになってしまって恐縮なのですが、ココナッツディスクでレコードを買うということは、「生産者の顔が見える野菜」を買うのに似ているな、と思います。生産者の顔写真が、ほうれん草の袋に貼ってある、あれです。あれには、とにかく誰がどんなふうに作った野菜なのかわからないよりも、こんな人が作ってるのかとわかって、なんかいい人そうだし安心な気がする、と思わせる効果があって、だから、まあほうれん草はどこにでも売っていて、ほかにもっと安いのもあるだろうけど、なんだか安心だな、という心理的な役割をほんのり果たしていると思うのですが、ココナッツでレコードを買うというのもなんとなくそれに似ていて、もちろんほかの中古レコード屋さんに行けば、おんなじのあるかもしれないけれど、なんか矢島さんが、ここにででーんと出しているのとか、中川さんがインスタで推しているのとかをみて、あの、好きなもののことを全力で愛している、矢島さんとか中川さんがよいと言っているのだからきっとよい、だからココナッツで買うのがよいのではないか、という気になる。わたしにはまだレコードを選ぶ審美眼がないけれど、誰が、こういうわけで、これはよい商品だと推しているのかちゃんとわかって、だから、新譜をぱっと取って買っても、ジャケを気分で選んで買っても、どれを買ってもきっと間違いなくって、安心というのは、心づよいです。なんだか全然うまいことを言えなくて申し訳ないのですが、そういうことなので、どうにか、少しだけでも伝わるでしょうか。

ほんとうに一方的なきもちでここまで書いてきて、次にお店に行くのがはずかしいですが、今日ココ池行っておいてよかったです。
いつも、ほんとうにお世話になっています。ありがとうございます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。だいすきです。

(追伸)ココナッツポイントカード、今年7枚目に突入しました。うれしいです。