磨硝子日記

すりがらすのブログ

柴田聡子『愛の休日』のこと

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最近はもっぱら柴田聡子の『愛の休日』を聴いている。もうずっとずっと待望していたので、毎日、朝の1曲めを『スプライト・フォー・ユー』ではじめられるのがしあわせだ。

『ゆべし先輩』のMVは全編うすぼんやりかすみがかった映像で、先輩と柴田さんが半分夢のなかにいるような感じでよかった。柴田さんが神保町試聴室で先輩を想いながら歌うシーンをみて、次回試聴室行ったら絶対にこのシーンのこと思いだすだろうなあと思った。

柴田聡子「ゆべし先輩」(Official Video )
ところで、ゆべし先輩って、わたしはずっと男性の先輩だと思いこんでいた。どんくさくて、なんでか目がはなせない先輩。先輩ががんばっているところ、誰も気づかないかもしれないけど、わたしはこっそり見ているよ、いつもかっこいいです(だからぷにぷにさせてほしいな)、みたいな先輩。だから藤村さんがほんとうにすばらしい先輩の演技をしてくださって、感動した。先輩はテニス部に入り直して大正解だ。先輩と柴田さんが、最後、放課後の誰もいない教室で何話したのか、どうなったのか、そんなことをいうのが野暮なのはわかっているけれど、気にせずにはいられなかったな。残業終わりに、提灯のあかりに照らされた桜並木の下を歩いていく先輩、くるしくてすてきだった。せんぱ~~~い。

あと、柴田さんのライブによく行かれている皆さまにおかれましては、『後悔』って、このアルバムのなかでいちばん、大化けしているといっても過言ではない、すんばらしい曲だと思うのですが、いかがですか、最高ですよね。

柴田聡子「後悔」(Official Video )
試聴室で聴いているときから、バッティングセンターでスイング見て抱きしめたくなっちゃうっていいなって思っていたけど、最初から最後まであらためて聴いてみたら、なんかそういう、ほれちゃってうれしい、みたいな曲じゃなかった。むしろ、すきな人のこと考えて、勝手に舞いあがっちゃってたな、みたいな曲なのかな。でも曲はとってもかろやかで、柴田さんの曲でこんなにのりのりなのは初めてでたのしい。MVの最後で、後部座席から身をのりだした柴田さんの髪が風にそよそよ吹かれているけれど、コーラスもそよ風のように吹きぬけていて、湿っぽくなくからっとしていて、そこへきてタイトルは『後悔』で、えええみたいな感じだけれど、これが柴田さんのいう「泣き笑い」ってことなのかなと思ったりした。陽にあたった柴田さんのお顔、つやつやでかわいい。

4曲めの『あなたはあなた』、なんというか、誰がなんといっても名曲で、弾き語りもバンドもすばらしい。これは、あらためて歌詞がいいなって。
たとえばこの一節。

放っておいてとも思わないの
わかってくれとも思わないよ
好かれても嫌われても人と人とのことだもの

特にこの3行めとか、すごいキラーフレーズだと思う。すごい。
あと、最後のところ。

胸のつかえに目薬さしてくれたあなたと観覧車
高いレールの上を走る黄色いふたり乗り自転車

もうなんか、柴田さんすごいなって、このアルバム聴いてずっと思っている。

ちなみにこれはわたしの推測なのですが、『天使をみてる』に

きのう夜おそくにきみのつくった映画を見たよ
雪景色のなかでおどる女の子

という歌詞があるけれど、これは柴田さんの親友、岡本まな監督の映画『ディスタンス』のワンシーンのことじゃないかなと思った。

映画『ディスタンス』予告
この映画の舞台挨拶がある回に行って、柴田さんとシャムキャッツ夏目くんのトークショーをみてきたんだけど、監督がおなかに赤ちゃんがいて、北海道から東京へ来られないから、FaceTimeかなにかで会話をしていて、その様子を観客がみまもるという、なかなかおもしろい感じだった。
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そうそう、ココ吉矢島さんが書いた『愛の休日』のポップが写っている画像を、待ち受けにしました。毎日つよく生きていけそうです。