磨硝子日記

すりがらすのブログ

2017年 すきなアルバムのこと

気づけばシャムキャッツのクリスマスイベントも終わり(めちゃんこたのしかった)、大掃除にいそしんでいる。

5月にブログをはじめて半年あまり、すきなものについてたくさん書いた。すきなことをすきっていえることはとっても大切なんだって信じているから。

そんななかでも、今年はレコード&CDをたくさん買ったので、今回は2017年にわたしがすきだった(そしてこれからもすきな)アルバムを紹介しようと思います。

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シャムキャッツ『Friends Again』
説明するための言葉なんてもういらない、ほんとうにほんとうにすばらしいアルバム。ココ吉で買った日からきょうまで、何度聴いたかわからない。
アコギと、エレキと、ベースと、ドラムと、歌を基本にした、真っ向勝負で正直な音。
晴れの日も、雨の日も、あつい日も、さむい日も、たのしいときも、いやになっちゃうときも、かなしいときも聴いた。シャムキャッツを聴くと、いつもみえるものや出会う人をたいせつにしようと思うのだ。こんなふうに、日常がすてきなものなんだっていいつづけてくれるシャムキャッツがだいすき。だいすきだ。


柴田聡子『愛の休日』
大感激のアルバム。ココ吉で買って、家につくやいなやフィルムをめりめりいきおいよくあけて聴いたのをおぼえている。『スプライト・フォー・ユー』のやさしいギターの音を聴いて、ああこれが聴きたかったんだよってぽろぽろ泣いてしまったんだった。
神保町試聴室、武蔵野公会堂、代官山UNITなど数々のライブで披露されてきた曲を、満を持して収録。
ライブで聴くといつも胸がいっぱいになるくらいだいすきになっていた曲が、ぜんぶぜんぶはいっている。それも、すてきなミュージシャンたちをむかえてすばらしいアレンジになって。出張にいくとき、新幹線で『スプライト・フォー・ユー』を聴きながら富士山をみたこと、ずっと忘れないよ。アナログ盤がたのしみ。


ラッキーオールドサン『Belle Époque
やさしさのアルバム。ラッキーのライブをはじめてみたのは3月11日(土)、埼玉県久喜市にあるカフェ・クウワで、井手健介、yojikとwandaとのスリーマンだった。
そこでアルバム発売前の新曲として『フューチュラマ』や『I want you baby』などを聴いたのだけど、いい意味ですごく素朴であたたかくて、こんなバンドってあるんだ!という新鮮なおどろきがあって、すぐすきになった。それからよくよく歌詞を聴いていると、「こんなはずじゃなかったと 言いたいわけじゃない」なんて、なかなかにやるせないけれど腐りきれない気もちを歌っていて、またそれを歌っているのが現代を生きる同時代の若者っていうところが、ますますうれしくて、もっとすきになった。篠原さんが「僕らはパンクバンドをやってるんで」といっていたのがかっこよかったな。だから正確にいうとこのアルバムは「やさしさに包まれたパンク精神のアルバム」なのかもしれない。


ラッキーオールドサン『ラッキーオールドサン』
こちらは2015年に発売、クウワのライブ後にココ池ですぐに買って、ほんとうによく聴いた。
『坂の多い街と退屈』、『ミッドナイト・バス』など8曲収録。たよりなげではかないけれど蝋燭の灯りのようにバンドをてらすナナさんのボーカルと、朴訥としているけれどやわらかな篠原さんのボーカル。ゆたかなアレンジ。青さのむこうがわに透けてみえる意志を感じるアルバム。
ラッキーを聴いていると、いくつになっても自分のなかに「青さへのあこがれ」があることに気づく。大人になって、いろいろなことをしらけた目でみつめるようになっても、目にはいるものをまっすぐまなざしていたときの自分を、ふとおもいだしだりする。そしてそのときの自分にもう戻れそうもないことにも気づいてしまう。そんなときに「心配ないさ そばにいるから」といってくれるのがラッキー。おかげでなんとか元気にやっています。


山下達郎『COME ALONG 3』
「33年ぶり 3作目となる新作のリリースが決定!」ときいただけで胸が高鳴る、達郎さんの『COME ALONG』シリーズ新作。
今年はなにかと出張がおおくて、月に1度はかならず新幹線に乗っていたのだけど、そのときよく聴いていた。達郎さんの曲は部屋で聴いても最高だけど、やっぱり夏だ、海だ、タツローだ!駅弁を食べはじめるのが新横浜をすぎてからなら、達郎さんを聴きはじめるのは熱海のあたりからでは。よく晴れた日の、むかって左の窓際にすわってね。水先案内人 小林克也さんのDJもすばらしい。


Gofish『肺/ピアノのまわり』(EP)
テライショウタさんのソロ。A面『肺』はコーラスにイ・ランちゃん。はじめて再生したときのことを忘れられない。厚みのあるコーラスと弦楽器の綾なすひびきが雨のように降りそそぎ、「肺は 正常に血液に 酸素を送って 息をとめて 息を」のリフレインがただただ力づよくうつくしい。おおきく息をすいこんで、からだのすみずみまでいきわたらせたい。チェロとコントラバスが躍動的で妖しいB面『ピアノのまわり』とのコントラストにもはっとする。出会えてよかった。
年明けに発売されるアルバム『燐光』がたのしみ。


安藤明子『ドキソワーズ』
2015年発売、京都在住のSSW 安藤明子のアルバム。ココ吉おすすめの『冬におてがみ』でおなじみ。
なんとも素朴でキュートな少女のような声とユーモアのある歌詞、あたたかいサウンドで、今年の頭からきょうまでのひえた気持ちをあたためてくれました。京都など関西であつかわれているみたいなのでなかなか入手がむずかしいかもしれないけれど、まずは『冬におてがみ』を聴いてもらって(ココ吉で買ってもらって)、そのあとこちらもおすすめしたいです。来年はライブをみられたらいいな。


そして最後に、今年もとてもお世話になったレコード屋さんに感謝をつたえたいです。
ココナッツディスク吉祥寺店さま、ココナッツディスク池袋店さま、ほんとうにありがとうございます。

年始、夏、カセットの放出にいったココ吉。
ココ吉のインストアライブは今年も最高でした。ラッキーのインストアは『ミッドナイト・バス』が泣けました。カネコアヤノちゃんはお店がばこんと割れそうなくらいのいきおいで歌っていてすごくかっこよかった、お客さんぱんぱんのスカートのインストア、インディー最後の夜に立ち会えてうれしかった。
週末の夜にココ吉へいってなにかをぽつぽつ買って、矢島さんとおしゃべりするのがだいすきです。

ココ池は面出しのレコードがいつもいい顔で、毎回いれかわっていて、いくのがたのしみでした。
Gofishの7インチは中川さんが教えてくれて、こんなにいい曲に出会えてうれしかった。そんなにたくさんじゃないけれど、ときどきおすすめを教えてくれるのもうれしいし、そうやって知ったレコードをとてもすきになれたのもよかった。
東郷清丸インストアと井手健介インストア、こぢんまりしていてたのしかった。

上の写真にあるもの、達郎さん以外はすべて、ココ吉とココ池で買ったものです。
ふつうの生活のなかで、すばらしい音楽に出会えること、そういうすばらしい音楽を提供してくれるレコード屋さんが近くにあることが、ほんとうにしあわせだとおもいます。
自分ではみつけられなかったかもしれない音楽を、ココ吉とココ池がいつでもみえるところに置いてくれて教えてくれたから、今年もたくさんすきなレコードに出会えたとおもう。

それから、今年おもったことは、ココナッツディスクはわたしにとってただの買い場ではないということです。
ライブでみたバンドの音源を買おう、だったらココナッツならぜったい置いてあるはずだからいこう、そうしてライブの記憶とココナッツで買った記憶が、バンドへの気もちにくっつく。
ココナッツコメントカードをつぶさに読む(けっこう読んでいるので何人か書き手がいらっしゃることが把握できてくる)、「○○ファンにもおすすめ!」と書いてあると聴いてみたくなる、ココ吉で「ライナーノーツだれだれ」とみつけるとまんまと買ってしまう。
おすすめを教えてくれるけれど、ほおっておいてくれて、でもコミュニケーションはココナッツコメントカードとレジでちゃんとしてくれるから、ありがたいです。
あの放出のときに、あの休みの日に、あの夜に、どんなふうにレコードをみつけたのか、ぜんぶおもいだせる。どこでもいいんじゃなくて、ココナッツがすきだから!
ついついお店にいきすぎてしまうので、来年も愛想つかされないようにがんばります。よろしくおねがいします。

来年もすきなレコードにたくさん出会えるといいな。