磨硝子日記

すりがらすのブログ

シャムキャッツ らんまん上映会によせて

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シャムキャッツ らんまん上映会。
だいすきなバンドの9周年ワンマンライブのDVDを、おなじくバンドをすきなみなさんと一緒にわいわいみる。ただそれだけの、でもそれだけがたいせつなイベントです。


このたび、2018年12月15日土曜日に、念願だった上映会を開催することができました。
やっと気もちの折りあいもついたので、きょうはらんまん上映会についてお話ししたいとおもいます。




あれはまだべたべたに暑かったお盆あけごろのことでしょうか、わたしは『シャムキャッツ らんまん上映会』なるイベントを立ちあげることにしました。

理由はただひとつ。じぶんのだいすきなシャムキャッツをおなじようにだいすきな人たちと、一緒にライブをみたい。それも、ライブでみかけてはいるけれど話したことのない子に話しかけて、じぶんとおなじようにシャムキャッツをすきな気もちを共有したい。


きっかけは3月のポップアップショップのイベントであった『台湾晩餐会』。あつまったファンがおなじテーブルにすわって、おいしい台湾料理を食べながらアジアツアーの映像をみるというホームパーティのようなイベント。

そこで、いつもひとりでライブへいってはたのしさやよろこびを噛みしめていたわたしは、こんなふうに、みんなとそのたのしさやよろこびをわかちあうことができるんだとかんじてとてもうれしかった。わたしのすきな曲をこの子もすきだった、この子はこんなふうに感じてたんだな、そのかんがえ方はわたしにはなかったからおもしろいな、なんていう発見もおおくて、みんなに話しかけているうち、おわるころにはたくさん友達ができて、ひとりであじわっていたライブのたのしさを、こんなにたくさんの人たちとわかちあえるし、よろこびをおおきくすることができるんだと、それはそれは感慨で胸がひたひたになったのをおぼえています。


そのときにも、またこういうふうにみんなで映像をみながらご飯を食べる会があったらいいのにね、なんて話はしていたのですが、それから時はながれ、夏のおわりにシャムキャッツからとどいたのが、『らんまん』のDVDでした。

こちらが、このときはなんの気なしにつぶやいたわたしのツイートです。



台湾晩餐会以来、ファンどうしであつまるイベントをひらけたらいいなとおもっていたし、これをツイートしたら、いきたい!といってくれた方がいたのもあり、ならばどうにもやるしかないという気もちに駆られ、まずはシャムキャッツに連絡し、開催の許可をいただくことにしました。


これは裏話ですが、準備のこともすこしお話しします。

開催にあたってシャムキャッツの許可をいただくために、まず公式サイトの問い合わせメールフォームにアクセス。用件はプルダウンで「出演依頼」「ファンレター」「リクエスト」「アピール」からえらぶようになっていたのですが、どれにもあてはまらないので、まあご本人たちにご出演はお願いしませんが、いちばん緊急度が高くて読んでもらえそうな用件名にしようとおもい、「出演依頼」を選択。

数日後返信をいただいて、こころよくOKをいただけたときには、安心してもいいはずなのに、なにかとんでもなくおおきなことをはじめてしまったなとおもいながら、しずかに心をきめたのをおぼえています。


それから会場のブッキング、ツイッターで告知する用の画像の制作など、ほんとうのほんとうにはじめてのことばかりで、やおら準備をはじめたのでなかなかに毎日めまぐるしく、仕事のこととか普段以上にどうでもよくなるほどに、上映会のことをかんがえていた気がします。

会場のことは、会場を使ったことのある方に相談させていただき、告知の画像は、イラレがつかえないのでWordとペイントでつくりました。自分のデザインセンスのなさとデジタル環境およびスキルのまずしさを嘆きながらも、どうにか必要な情報が記載されて、しかもタイムラインで目立つということだけをかんがえて、汗だくでつくりました(来年までにイラレできるようになるゾ)。こんな様子でなにからなにまでやっとこさすすめてきて、ようやく準備がととのいいよいよツイートで告知したとき、どんな反応をしてもらえるかなと心配だったものの、想像以上に興味をもってくださる方がいたので、とてもおどろき、ありがたいなとおもいました。

それから、なんとか告知にこぎつけ安心したのも束の間、なんと当初の開催日は台風で中止、おなじ日にミツメと対バン予定だったシャムキャッツのツアーも延期。それでも絶対やるんじゃと最初から延期宣言をして、ありがたいことに振替開催が決定。諸般の調整をさせていただきまして、シャムキャッツのイベントとかぶらない日に開催できることになりました。



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さて、いよいよ当日をむかえまして、朝から会場の設営。受付で名簿にマルをつけてお代をいただいているとき、普通の顔をするようにつとめていたつもりですが、じつはふと、きょうの会をたのしんでくれるだろうか・・という気もちが頭をもたげまして、いままさにわたしは、こんなよく晴れた日のお昼にDVDをみにきてくれているお客さんとむきあっているのだという、ものすごい実感にうちふるえていました。

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告知のツイートでもお知らせしていたとおり、当日はサンドイッチをお出ししました。ハムチーズ、卵焼き、あんこ&クリーム、ジャム&クリームの4種類で、あんこ&クリームが人気だったとおもいます。

開場したあとわたしは入口で受付をしていたのでお客さんの様子をうかがいしれずにいたのですが、上映をはじめようともどると、なんかもうすごい打ちとけた様子でお客さんたちが談笑している・・初対面どうしのお客さんが、こないだの千葉LOOKいきました?なんて話をどんどんしている・・すごい・・


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ようやく上映をはじめると、もうそこからはみなさんおもいおもいにたのしんでくださって、
夏目〜(主にわたし)、スガピ〜、バンビさ〜ん、頼さま〜と黄色い歓声がとびかったり、たとえば『KISS』の最後に夏目くんが投げキッスするとき、みんなで、くるよくるよ!ってどきどきしたり。アルバムにはいっている『カリフラワー』『あなたの髪をなびかせる』は、当時は完全なる新曲だったけれど、たしかにいまへの道しるべだったんだなあと気づかされたし、みんな後半になるにつれてしんみりしながら1曲1曲噛みしめるように聴いて、『渚』のイントロなんてみんな静まりかえって菅原さんのギターに聴きいっていた。

『MODELS』はライブさながらにもりあがってて(みんなやっぱ『MODELS』すきだよね!)、こういう光景がみられるのいいなとおもったのと、でもひとりの部屋でDVDをみていたら、こうはならなかったんだよなと。あつまった人たちがひびきあうからこそ、盛りあがったり、みんなでじっと聴きいったり、だれかが歓声をあげて、またそれにだれかがこたえたりする、そういううねりを目の前にして、やっぱりわたしたちはひとりじゃなくて、みんなとつながっていけるんだな、じぶんとつながれる人がどこかにいて、そのだれかと出会うきっかけをくれたのが、わたしたちにとってはシャムキャッツだったんだなと気づいて、上映会をしてよかったなとおもいました。



この日はおたのしみ企画として、きてくれたお客さんと一緒に、シャムキャッツへのサプライズプレゼントづくりもおこないました。
11月に原宿のThink of thingsで開催されたポップアップショップのグッズにみんなでおもいおもいに“Virgin Graffiti”してもらって、シャムキャッツにわたそうというものです。表紙には箔押しで「らんまん上映会」といれてもらった、とっておきのノートです(ポップアップショップのときオプションで表紙に文字をいれられるときいて)。
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DVDをみながらみんな黙々と書いてくれて、あとでこっそり読ませてもらったら、またおどろいた。じぶんと、シャムキャッツシャムキャッツの音楽が、いままでどういうふうにかかわっているのか、どんなときにシャムキャッツにたすけられたかということをものすごいくわしく書いてくれている方がおおくて、ノートをひらいてくれるシャムキャッツをみつめて話しかけているような、内緒話のようなノート。そんなわけで中身はきてくれたお客さんとシャムキャッツの秘密にしたいとおもいますが、ひとつだけ、すてきなページをおみせしたいとおもいます。
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らんまん上映会をおこなうにあたって、わたしがかんじたのはただひとつ。シャムキャッツのまわりにはいい人がたくさんあつまっているということ。

まずはシャムキャッツご本人たち。ライブやイベントでお会いするたびにメンバーやマネージャーさんが「上映会どう?」と気にかけてくださり、このらんまんを撮影したカメラマンの佐藤さんから、上映会をしてくれてうれしい、と、こちらこそうれしいお言葉をいただいたり。

告知をはじめると、シャムキャッツファンから「たのしみです!」「いきます!」とメッセージをいただいたし、もっとおどろいたのは、予約をしてくれる方がほとんど全員、予約フォームの備考欄にひとことメッセージを書いてくれたこと。ここには、たとえばちょっと遅れますとかを書いてもらえればとおもっていたのだけど、「らんまんにいけなかったのでみられるのたのしみです!」「すりがらちゃん、いくよ〜」みたいな言葉をのこしてくれる方ばかりで、でもシャムキャッツファンのすがたってこうなんだな、となりにいる人の気もちをわかろうとして、だれかのために力になろうとかんばるのが、シャムキャッツのファンの方たちなんだなと、フォームをみつめながらじんわりおもったりしました。そういうファンのすがたは、まちがいなくバンドがそうだから、おたがいに支えあって、だれかがだれかのために、メンバーやファンのみんなのために、いい距離感と関係をたもつために工夫しながら手をうごかしてすすんでいる、いうのにほかならないことだとおもいます。



それから、上映会にきてくれる方以外にも、これをきっかけにできたつながりもたくさんあって、たとえば上映会の翌日にあった愛日燦々というおおきなフェス(みんないったよね)では、上映会をきっかけに主催のカフェクウワ間宮さんとしりあって、ライブやシャムキャッツのポップアップショップで愛日燦々フライヤーをくばらせてもらったり、フェスの当日のお手伝いをさせてもらう機会をいただいたり。それから渋谷系ZINEを制作された照井葉風さんが、当日のお土産でシャムキャッツファンのみなさんに読んでほしいとZINEをもってきてくださったり。普段遊びにいっていたライブやイベントを企画するというのがこのたびはじめてだったわけですが、経験すればするほどに、イベントを企画する方はほんとうにすごいなという気もちが日に日におおきくなって、ハッ上映会をちゃんと開催しなければという使命感で白目をむきながらすごしました。


上映会がおわり1週間、当日みんなでつくったノートも完成し、シャムキャッツトークイベントでメンバーのみなさんにおわたしすることができました。ワーッ!とか、オオー!とかじゃなくて、みなさん1ページずつじっくり目をとおしてくださっていて、そういうところが、わたしたちがシャムキャッツをずっとすきでいる理由なんだとおもいます。
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これが、わたしが夏から冬にかけて上映会を開催するまでの話です。

シャムキャッツ、きてくれたお客さん、気にかけてくださったみなさんありがとうございました。たいせつなワンマンライブの思い出が、きらきらしたすてきな思い出につつまれて、わたしのなかでいつまでもあたたかくかがやきつづけています。

ちなみに夏目くんからは「どんどんハコを大きくしてほしいね!」といってもらえたので、次はもっとおおきなハコを目指したいとおもいます。またいつの日か!