磨硝子日記

すりがらすのブログ

日記 2026/1/4

SNSで「2025年ベストバイ」を見回っていたところ、シャクティマットを取り上げている人が多く、やはりかと再び気になってしまった。昨年の夏だか秋ごろにじわじわと話題に上りはじめたので、頭の片隅にあったのだ。シャクティマットとは大人の肩から腰のあたりまでの長さがある薄いマットに、剣山のような鋭い突起が無数についていて、その上になんと素肌で横たわるという健康法に用いられるのらしい。これの第一の効果はリラックスで、初めはマットの上に横たわるだけで激痛なのに、次第に慣れるころには体が脱力でき、ともすればこのマットの上で寝てしまう人もいて、朝までぐっすり眠れるのだそうだ。オモコロ編集長の原宿さんも薦めていて、正直こういうものを信じなさそうな原宿さんが良いというのも気になった理由のひとつだ。 HPを読んでみたが、インドの指圧や鍼治療にヒントを得たものらしい。価格はバージョンにもよるが、2万円〜3万円ちょっとする。
眠りに苦手意識があるわたしにはどうにも無視できない存在である。10代のころから、猛烈に疲れている時以外は布団に入ってすぐに眠れるということはまずなく、毎晩メラトニンサプリを飲んでから、入眠のためのどっぷんという大きめの波を静かに、しかし虎視眈々と待つ。さらに最近では、起きようとしている時間よりも前に目が覚めてしまうことがほとんどで、シャクティマットを実際に使ってみておすすめする人の感想やショッピングサイトのレビューなどに触れるにつけ、これで眠れるならばねと期待半分、訝り半分で見ていた。

このようにして、わたしの関心はまず「これから流行りそうな、なんだかすごそう感満載のもの」にひとまず向くことがとても多い。そして、まずは試してみて、よかったとか自分には合わなかったといった感じで、気に入って使い続けたり、すぐに飽きて使わなくなったりする。
そうしてシャクティマットもこのたびわたしの関心対象になったわけだけれど、ただ今回は話が違った。まず試してみるには高すぎる。何といっても、使わなくなったら、3万円の針の筵なのだ。

HPを見てみると、昔から行われている指圧や鍼治療が体に良いというところからヒントを得たことは書いてあるのだが、それがどうしてこのシャクティマットという恐ろしい見た目の器具になったのかはわからず、なぜ体をリラックスさせるのかの理由もいまいちよくわからない内容になっている。そうなると口コミはほとんど、奇跡体験の告白のようでもあり、なんだかざわざわとしてきた。おもえばわたしは信頼する整体師のあおやぎさんのところで時々施術をしてもらっていたが、あおやぎさんの施術では、うつぶせの状態になると、首筋から背中の真ん中あたりまで、背骨に沿って慎重に指を滑らせ、ここだという箇所で何かを確実に突くような動きから始まる。プロの整体師だって細心の注意を払って、狙って指圧しているのに、素人がゴロリと寝転がって背中のほとんど全体に鋭い圧を加えていいものなのだろうか。体の調子を良くするツボ(という概念)があったとして、それのついでに、体の調子をどうしようもないくらい超絶悪くしてしまうツボを、同時にいくつも押してしまうということはないだろうか。
それでも、近代科学で説明されていないことがまったく起こらないわけでもなく、むしろ伝統や経験に基づいて確かに有効だと受け継がれてきた方法はたくさんあるとおもっている。わたし自身もそういう恩恵に預かってきたことは少なくないだろう。体に合って効果があるという人の感想は本当なのだろうし、その人にとっては悩みから解放してくれる良い買い物、生活の一部になったことだろうから、わたしだって自分に合うかどうか試してみたいという気もちはしばらく消えないこととおもう。