磨硝子日記

すりがらすのブログ

2023年7月9日 山下達郎のサンデー・ソングブックを聴いて

サンソン聴きました。

達郎さんが大切にしていることがご縁とご恩であるならば、同じ事務所で志をともにした人から名指しで指をさされたのはなぜでしょうか。性加害はゆるされないと考えながら、あの人を尊敬することは、達郎さんの音楽やシティポップを愛しながら、つとめて政治的存在であろうとすることの間柄に似ていると感じます。つまり、どちらもそうであるといっているうちは、どっちつかずになることだとおもうのです。

わたしがいま必死で生きている日々のできごとと、すばらしい音楽家のうつくしい作品のなかにある物語は、これまでも少し離れたところにありました。きびしい現実から離れ、ひととき音楽に癒されることが、しあわせのひとつでもありました。そして、現実世界を捨て去ることもできなければ、粛々と生活を続けることもできないわけで、あいまいな境界をゆるやかにいったりきたりしながら、なるだけ、現実世界で政治的な存在として行動することを心がけてきたつもりです。しかし、これからはよりいっそう、忸怩たるおもいで、ふたつの世界にいっそう色濃く線をひかなければならないと感じます。

なぜならば、このことは、わたしが達郎さんの人柄や音楽をこれからもすきかという、個人的で勝手にしたらいい、とるにたらないような話にとどまらず、明確に、けっして癒されることのないかなしみをあじわった方々のほうへ、連帯することを表明しなければならないできごとだからです。
罪をしるよしもなく作品に関わっていたとはいえ、それが明るみにでた今、達郎さんがどのような発言をするのか、とても気になっていましたが、今もなお、変わらない立場をとったことを、わたしは、とてもかなしく、残念におもいます。